幼児教育を語るひろば

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叱ること

だいぶ前になりますが、子どもを叱る時は、こんなことに気をつけようと書いたことが
あります。

叱るという字は、口が匕首(アイクチ)になるという意味だから、やめるように! 
子どもにも言い分があるのだから、叱る前によく聞いて、できるだけ話し合いで
解決するように!」と。

土曜日の午後、自宅裏の公園のアジサイが、見事に咲きそろったので、ベンチに
腰を下ろして鑑賞していました。

そこへ、若いお父さんが、5歳くらいの男の子と、3歳くらいの女の子を連れてやってきました。男の子は駆け足で、1つ空いていたブランコの所にきました。少し遅れて女の子もきました。

男の子は、すでにブランコに乗って動かし始めていたのですが、女の子はブランコを
吊るすロープを手で押えて、「自分を先に乗せろ!」と言っているようです。

でも男の子は、譲りません。そのうちにブランコの台が、女の子の体にぶつかったようです。女の子は、急に大声で泣き出しました。

アジサイを見物していたお父さんが、慌てて駆けつけてきました。状況から、ブランコの奪い合いだと、すぐに分かったようです。女の子は、お父さんが来てくれたので、
いっそう声を大きく張り上げて泣き叫びます。

その泣き声にせかされたのでしょうか? お父さんは男の子に向かって、「お兄ちゃんは、妹に譲ってあげなければダメじゃないか!」と、声を荒げました。でも男の子は、知らん顔でブランコを揺らしていました。

お父さんは、また言いました。「大きい子は、小さい子に譲らなくてはダメだ!」 
「お兄ちゃんが、妹をいじめてはいけない!」などと。

それでも男の子は、譲ろうとしません。痺れを切らしたお父さんは、無理やり男の子を、ブランコから降ろしてしまいました。今度は男の子が、泣き出しました。お父さんはそれに構わず、女の子をブランコに乗せました。男の子は、泣きながら砂場の方へ
行きました。

お父さんは、一件落着とばかり、ベンチに腰を下ろします。男の子は泣きじゃくりながら、砂場の縁石に腰をかけて、ブランコの方を恨めしげに見ていました。

5分もしないうちに、女の子はブランコから離れて、砂場へやってきました。それを見ていたお父さんは、「Nちゃんブランコが空いたよ!」と、男の子に声をかけました。でも
N君は行こうとしません。無言でお父さんへ反抗しているようです。

様子の一部始終を見ていた私は、叱るということの難しさを、つくづく感じました。
私だったらどうしたでしょうか?

公園へ出かける前に、どんな遊びをするか話し合うとか、ブランコなどの順番取りも
予想して、じゃんけんで決めるとか、事前指導をしておくのがよいのでは? などと
考えました。

それともふだんから家庭内で、助け合いや思いやりの心を育て、家族関係のあり方を、教えておくことが大事なのだろうか? とも考えました。

しかし子どもの遊びは、もっと本能的なものです。衝動的で意外性があるから楽しいのです。危険防止の指導は大事ですが、あまりにお膳立てしたり、軌道に乗せたり
するような遊びは、子どもたちの楽しみを半減させてしまいます。

幼児期は遊びの中で叱る機会が多いので、問題提起のつもりで書いてみました。