幼児教育を語るひろば

幼児教育を語るひろば

戒律

東京地方は、梅雨入り宣言のあった翌日から、真夏日が続いています。外へ出る気にもなれません。前に買ったままの「戒律」(仏教の)について書かれた本を、開いて見ました。

仏教が広まるにつれて仏教界も拡充し、その組織を守るために、どんどん「戒律」が
作られて行きました。

「戒律」は全てを数えると、男性(比丘)は250戒、女性(比丘尼)は348戒あります。数だけ見ると、ずいぶん不平等で、女性に厳しいような感じがします。

男性には、「四波羅夷罪」という一番重い罪が4つあります。「淫」「盗」「殺」「妄」
4つです。

「淫」は、男女が肉体関係を持つこと、「盗」は人の物を盗むこと、「殺」は人を殺すこと、「妄」は仏の教えを偽って、人を騙すことです。どれ1つを犯しても、永久に仏教界から追放されます。

女性は、「八波羅夷罪」といって、男性側の4つの罪以外に、あと4つ加わります。
善意に解釈すれば、女性を守るためとも考えられます。

「戒律」には、セックスに関わるものが多いことに気づきます。アダムとイブの時代
から、男女関係には、色々問題があったのです。

性的問題に関する「戒律」は「僧残」といわれ、男性で13、女性で17ありました。
性に関わる罪は重いのですが、懺悔して悔い改めれば許されました。「僧残」は僧に残れるという意味のようです。

たとえば、こんな戒律がありました、男性は女性の膝から上の肌に触れただけでも、
戒律を犯したことになります。

ところで、キリスト教では「愛」を強調しますが、仏教では「愛」があまり出てきません。むしろ、「慈悲」という考え方を、大事にしているようです。

「愛」というのは、自分の感情的な見地から、特定の人を好きになる行為と、仏教では捉えているのです。自分との特別な関係で、人を愛するだけでは駄目というのです。

ちょっと難しいのですが、愛している・愛していないに関係なく、慈悲の心で多くの人々と接するのが、本当の「愛」だというのです。

ひろさちや氏の「般若心経・88講」に、面白い話が載っていたので紹介します。

ある禅僧が、3人の弟子を連れて旅をしていました。川があって、禅僧たちは川を渡るのですが、そのとき川岸に女性がいて、困っていました。女性は着物をたくしあげることができないので、困っていたのです。

美しい女性でした・・・・ということにしておきます。
彼女は和尚さんに、自分を抱いて向こうに渡してくれと頼みました。
「おお、よしよし。」
と、禅僧は気軽に頼みを引き受け、彼女を抱いて川を渡ります。
川を渡った所で女を降ろし、禅僧たち一行と女性は左右に別れました。

それから1里ばかり行った時です。弟子の1人が、和尚さんに抗議しました。
「和尚さん、日頃はわれわれに女を遠ざけよと説教しながら、先ほどは女を抱かれ
ました。和尚さんの言動は矛盾しています!」
他の2人の弟子も、口々に和尚を非難しました。彼らはずっと、和尚さんが女性を
抱いたことを、じくじくと考え、悩んでいたのです。

ところが、お弟子さんたちの抗議に、和尚さんはこう応えました。
「なんだ、おまえたちは、まだあの女を抱いていたのか?!わしはとっくに降ろして
きたぞ!」