幼児教育を語るひろば

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代理出産への懸念

だいぶ前に、「母子関係は受胎の時から始まる」と書きました。この関係が無い、代理出産の落とし穴についても触れました。

代理出産を依頼する人は増えているようですが、代理出産を引き受ける人も増えていると聞きます。(Cさんのブログによると、諏訪の病院では、代理出産を引き受けるボランティア?の応募が、沢山あったとか・・・)

代理出産を引き受ける人たちのことまで考えると、この問題は、いっそう複雑で奥が
深いように思います。

代理出産で母子関係の何が欠けるのか、もう少し詳しく触れてみます。赤ん坊が自分のお母さんを認識するには、3~4ヶ月かります。その期間の母子関係を中心に調べてみました。

私の意見の殆んどは、1969年に出版された「裸のサル ー動物学的人間像ー」から借りています。(ディズモンド・モリス著,日高敏隆訳,河出書房新社発行)

受胎と母体の変化
胎児がお母さんの子宮の中で成長し始めると、お母さんの体は、色々と変化します。
つわりを経験するでしょう。血圧も低下します。やや貧血気味になることもあります。
日が経つに連れて、乳房は柔らかく大きくなります。食欲も増します。

胎児の動く様子が分かるようになると、だんだんと気分は穏やかになり、落ち着いてきます。そして、出産を心待ちにして、生まれて来る我が子への愛情が、次第に強くなってくるのです。

出産に伴う重労働
人類は直立歩行するようになって、出産の負担が大きくなったと言われます。お母さんにとって、出産は重労働です。

チンパンジーは分娩の時、臍帯を自分で噛み切るだけでなく、胎盤の全部、あるいは一部を自分で食べ、羊水をなめ、分娩したばかりの赤ん坊を清め、抱きかかえて保護します。

原始時代の人間も、これに近い分娩方法をとっていたと思われます。今日では、専門家の手助けを借りながら、臍帯はきちんと縛られて、はさみで切断され、安全に出産することが出来ます。

この出産に伴う重労働の体験が、母子をしっかりと結びつける、重要な役割を担っているのです。

授乳と母子関係
人間の授乳行為は、他の霊長類の場合より、多くの意味を含んでいます。赤ん坊は極めて無力なため、お母さんは、色々な役目を受け持っています。

赤ん坊は、乳を飲むのが下手です。そこで赤ん坊を胸にしっかり支えて、乳を飲む
行為を導いてあげます。(乳房との関係もあります。乳房に対する頭の位置がずれて、鼻や口が押さえられ、呼吸が出来なくなるのです。)

授乳の成否は、誕生後4~5日が山です。その間に、子どもが安心して乳を飲むようにすることが、とても大事です。最初の具体的な母子関係づくりです。授乳行為は、
子どもに安らぎと満足感を与えます。

赤ん坊を抱くこと
授乳行為の延長ですが、お母さんの80%は、赤ん坊を左腕で支え、自分の体の左側に、押し付けるようにして眠らせます。これは、お母さんの体の左側に、心臓が位置していることによると言われます。

赤ん坊にとって、お母さんの心臓の音は重要な役目を持っています。安全を伝える、お母さんからの信号です。だからお母さんは、本能的に、あるいは無意識的に、赤ん坊を体の左側に抱くのです。

お母さんが赤ん坊をゆすって眠らせる時も、心臓の音に合わせたスピードで、ゆすると言います。赤ん坊は、お母さんの子宮の中にいる時から、この心臓の音が刷り込まれていて、強力な安静作用になっているのです。

母子関係は、胎児の時から始まって、劇的な誕生の瞬間、子どもへの授乳、子どもを抱いて安らぎと満足を与える行為、などによって、絆がどんどん深まって行きます。
代理出産では、どうしても経験出来ないことばかりです。

ですから私は、代理出産について、大きな懸念を抱いています。

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