幼児教育を語るひろば

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女性の社会的地位

ユニセフニュース212号が送られてきました。開発途上国における武力紛争、貧困、エイズ、人身売買、子どもの死亡率・買春問題等、今年も課題は継続されそうです。

特集記事の中に「女性の立場向上が子どもたちを救う。~貧困脱出のカギとなる女性たち~」、というタイトルの記事がありました。

記事によると、2007年の「世界子ども白書」では、女性の社会的地位の向上と能力強化が、テーマになっているとのことです。

白書では、女性の力が認められていない国の多いことが、指摘されていました。人口保健調査(DHS)によると、調査した30の途上国の中で、50%以上の女性が、家庭内の全ての意志決定に参加できている国は、10ヵ国しかなかったと言います。

貧困家庭の女性は、搾取される形の労働に就くことが多く、いったんその形になると、これが世代で引き継がれ、なかなか貧困の悪循環から抜け出せなくなります。また、極度の貧困に晒された女性は、「性産業」に送り込まれることも多く、若い女の子が犠牲になりやすいと訴えています。

途上国でも、家庭内の意志決定に女性が力を持っていれば、子どもは健康で育つと言います。また、教育を受けた女性の子どもは、生存率が高く、栄養状態もよく、学校へも通わせていると報告しています。

女性の力が認められない理由は、色々あります。政治・経済・教育・生活等の貧困や、その国の文化・風俗・宗教などの影響があるようです。

注目しなければならないのは、男性の無理解・非協力です。多くの途上国では、女性は男性より地位が低く、労働賃金が低いのも実態です。女性は家事・育児の大半を任され、男性より負担が大きくなっています。

白書では、メキシコの例が紹介されています。働く女性の家事に取られる時間は、週に33時間、男性は僅か6時間に留まっています。アフリカ諸国の実態は、もっとひどいのではないでしょうか?

さらに家庭内暴力は、多く男性が、女性や女の子に対して振う場合が多いと言われます。女性の社会的地位の向上を掲げても、道のりは、まだまだ遠いようです。

振り返って日本はどうでしょうか? 先進国だから、女性の立場は尊重されている、
と自慢できるでしょうか?

途上国と比べれば、日本では、国会にも女性議員が多く進出しています。会社経営等でも、腕を振っている女性が沢山います。女性の労働賃金も、それなりに保証されています。

だからと言って、男性と比べ、格差や差別が無いとは言い切れません。長い歴史の中で培われた男性優位の社会通念は、そんなに簡単に影を潜めることはありません。
ちょっと油断すれば、途上国を哀れんではいられなくなる危険があるのです。

女性の社会的地位の向上と、能力強化の営みは、地球的レベルで進めなければなりません。それを支えるのが、政治であり教育であると、私は信じます。