幼児教育を語るひろば

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ゆく年くる年

いよいよ明日が大晦日 ゆく年は 子どもが関わる色々な事件に 心を痛めました 栃木の少女殺害事件は 解決しないまま 年を越しそうです 「幼児教育」を標題に掲げる私には なんともやりきれない気持ちでいっぱいです 
くる年こそ 子どもたちにとって 安全で楽しい日々となるように 心から願っています

幼児教育を総括する代わりに 面白い「子育て論」を紹介します 
だいぶ前に 5代目三遊亭円遊師匠の 「落語家の子育て論」 という話を聞きました 要点を3つにまとめ 私見を交えて解説してみます
([ ]内が 円遊師匠の話)

1.[母親は 子どもに3分 ご主人に3分 残る4分の時間と労力を 自分のために 実り多いものとなるように 今から自己研鑽に努めるべきだと思います]

子どものためと思って 朝から晩まで大声を張り上げて 子どもを叱咤激励しているお母さんは 疲れ果ててしまいます だから 表情がとても暗く笑顔がありません そういうお母さんは 子どもの言うこと為すことが 全て不満で 出るのは愚痴とため息ばかりになります 
子どもの方も そんなお母さんを見ていると 不安感が増して 暗い気持ちに落ち込み勝ちです ですから 親の期待とは裏腹で 成長のスピードも鈍くなってしまうのです

そして いつの間にか 家庭内は愚痴とため息が充満し 一家団欒の機会や場もなくなってしまいます 
本当は 家族団欒の機会を多く持って 子どもが喜ぶ 楽しい話が飛び交うように心がけるのが 理想的です でも 世の中 なかなかうまく運びません

そこで お母さん方に勧めたいのが 4分は 自分のために時間を使うということです 「自分にご褒美!」 という言葉が流行っています 子育て中のお母さんこそ その
権利があるのです
要は あまり子育てにのめり込まないで ゆとりを持って当たりましょう ということです 見守る子育てが大事です

2.[父親は もっと子どもと接するために 時間を割いて下さい 父と子の体験には 母と子の体験とは別の視点があります]

私が在職した幼稚園では 毎週土曜日に「父親活動日」というのがありました お父さんたちに来園してもらい 一緒に保育活動に参加してもらうのです 

その結果 「遊びがダイナミックになった」 「昔の遊びをお父さんと楽しんだ」 「サッカー・相撲・鬼ごっこなど 外遊びが多くなった」 「父子で 一つのことに熱中して取り組んだ」 「土曜日が来るのを 心待ちするようになった」 等々の声が 先生方や お母さん方から 沢山寄せられました 子どもと遊ぶお父さんの姿は 子どもたちにとって とても頼りがいのあるお父さん像です

まだまだ 子育ては母親任せの家庭が多いのも 現実です でも お父さんは 会社の話ばかりというイメージでは お父さんのようになりたい という子どもにはなりません 子育ては 夫婦の力を合わせた方が効率的なのは 言うまでもありません しかも 子どももそれを望んでいるのです

3.[子育ては 待つことです]

子育てにのめり込みすぎると 過保護・過干渉に陥ります その結果 依頼心の強い子に育ってしまいます 
「どうしても こういう子に育てたい」 という気持ちが強いと 子育てに枠をはめることになります それは 子どもの気持ちを受け入れないことに 繋がりかねません 

子どもの成長には 順序があります 個人差も勿論あります ただ 乳児期・幼児期・児童期・青年期・・・と 成長の節があるのです
それぞれの節で その時の子どものありのままの姿を認め 子どもの気持ちを受け入れてあげると この節は丈夫になつて 子どもは健全に育つのです 
これが 成長を見守る 即ち「待つ」ことだと思います
極端なことを言いますと 最低限の環境を整え 最低限の世話をすれば 子どもは 成長の順序に従って 順調に育って行くのです

円遊師匠の「子育て論」の解釈が 違ったかもしれません 
でも 少しでもノンビリと 子育てを楽しむ気持ちになって頂ければ お母さんにも 子どもたちにも 笑顔が見られるようになると信じます