幼児教育を語るひろば

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心のブレーキ

広島市の女児殺害事件の容疑者が 逮捕されました といっても 子どもが生き返ってくるわけではありません 返す返すも 悔やまれる事件です
どうして犯人は 犯行直前に 事件を起こすのをやめようという 心のブレーキが かからなかったのでしょうか? 
実は これから紹介する出来事と 大変関係があると思います

昨日の夕方 行きつけの本屋さんでの出来事です 中学生らしい少年が 本を万引きした様子で 店主が店の奥で その少年と話し合っていました 二人は顔見知りのようです しばらくして 少年は すごすごと店を出て行きました 
店主とは20年来の付き合いですから 「万引きですか?」 と聞いてみました 彼はばつ悪そうに 「実は近所の子どもです 今回は初めてのことなので 誰にも言わないから 2度としないように! と注意して帰しました」 とのことです

ちょっと話は逸れますが 万引きする子どもの数は 驚くほど多いのです 困ったことに 彼らには あまり罪の意識がありません 圧倒的に10代が多く 万引きを ゲーム感覚で捉えています
それは 理由を聞いてみると分かります 「好奇心から」 「友だちに誘われて」 「小遣い銭かせぎ」 「スリル・刺激があるから」 等々なのです

さらに理由を掘り下げると 大人にも 色々問題があります 
「あなたは わが子が万引きで補導されたら どうしますか?」 と尋ねると 親の対応は 大きく次の3つに分かれます

1.ただ大騒ぎするだけで きちんと対応できない
2.できるだけ冷静に処理しようと 努力する
3.見過ごす 又は放置する

私も 現職中には 万引き問題に 何度か関わってきました その経験から 親の対応の仕方で 問題があると感じたことをまとめてみました
思い当たる言動がありますか?

・みっともないと愚痴を言う  ・学校に知れたら大変と 隠そうとする
・返せばいいとか 買い取ればいいとか言って 軽く考える
・万引きぐらい誰でも経験がある と肯定的なことを言う
・お父さん(お母さん)には内緒にしよう と家族間で秘密をつくる
・友だちが悪い(友だちのせいにする)
・殴ったり 蹴ったり 怒鳴ったり 体罰だけ与える

話を戻します では 万引きをなくすには どうしたらよいのかを考えてみます 万引きをした子どもが 「2度としません」 と誓っても 保障はありません その場限りの言い訳で終わることが 多いのです
なぜなら 万引きについて 子どもたちは 次のように考えているからです

・みんながやっている
・高価なものではない(いつでも弁償できる)

つまり 「万引きはやめようと思えば いつでもやめられる」 「小さな事件だから そんなに悪いことではない」 というわけです 誰でもかかる はしか程度に思っています

こんな感覚ですから 心のブレーキは不要です 実は 心のブレーキは 幼児期に親がつけてあげるものです ところが 前述のように 親も万引きを軽視していますから 万引きも立派な?犯罪であることを 教えません 
「人のものは取らない! 取ろうという気が起きても 心のブレーキをかける!」と 教えましょう
ブレーキが無いまま成長してしまうと 大人になってからも 事件の直前に ブレーキをかけて思いとどまることが出来ません 
引ったくり 車上狙い 空き巣等の犯罪が 多発していることからも分かります 少年時代の万引き感覚の延長なのです

私は 店主に言いました 
「万引きはいけないというのは 子どもも知っている でも知っているだけでは意味がない 万引きを考えたら 自分の心にブレーキをかけられなければダメだ 初めてならなおさら 人が見ていなくても カギがかかっていなくても 人のものは取らない! という 判断力のある子どもに育てる よいチャンスだ
今回は 誰にも言わないとの約束だから 守らねばならないが 本当は親に話して それぞれの子どもに応じた 効果的な処置をとるのが 万引き防止の近道だ わが子に歯止めをかけられるのは その親しかいないのだから」 と

店主とは 今までも子どもの問題を よく話し合っていました 彼は 「分かった 次からは妥協することなく 事実を親に伝え 一緒に話し合って 心のブレーキがかけられる子が 1人でも多くなるように努める」 と言いました