幼児教育を語るひろば

幼児教育を語るひろば

小絵馬と子育て

近くのお寺に 古い小さな絵馬堂があります 散歩でいつも通るのですが 今日はお彼岸で 扉が開いていました そこで あらためて中を拝見させて頂きました ちょうど顔なじみの住職さんが 竹箒を持って出てこられたので 絵馬堂についてお尋ねしてみました これからお参りの人が見えるという忙しい時でしたが わざわざ時間を割いて下さいました 大変興味のあるお話でしたから 紹介することにします 
(以下「 」内は 住職さんの話の要約)
「古代は 生きている馬を 神社・仏閣へ奉納しました それがだんだんと 土馬・木馬・紙馬で 代用されるようになりました 平安時代になると 画家の手による絵馬が(大絵馬という) 貴族や権力者によって奉納されています 庶民も 名も無い職人が作った絵馬を(小絵馬という) 奉納しました
室町から江戸時代になると 色々な絵柄の絵馬が 登場するようになりました お願い事のために奉納するわけですが 絵馬堂は まるで絵画のコンクール場のようだったと 記録にあります
最近は 合格祈願 良縁祈願が多いため 絵馬は 神社の専売特許のようになっています ただこのお寺は 安産や子どもの病気平癒にご利益のあるお地蔵様が 安置されているので 育児に関わるお願い事の絵馬が 今も時々納められます」
そして 住職さんは 昭和初期に描かれた大絵馬が 本堂に掲げてあるからと言われ 案内してくれました 本堂の1画に 2枚の大きな絵馬が掲げられていました 畳半畳ほどの大きさでしょうか? 1枚は 馬が駆けている絵 もう1枚は 鯉が泳いでいる絵でした 墨1色で描かれたように見えましたが 元々はバックは彩色されて 金粉や銀粉が 全体に施されていたそうです 
それから住職さんは 絵馬の絵解きもしてくれました
「馬は 力のある貴重な動物でしたから 出世・開運・平安を願ったのでしょう 鯉は 鯉の滝登りの故事から 馬と同じ願いがかけられたと思います 最近は どちらも 合格祈願や病気平癒祈願にも 奉納されます ところで 絵馬堂の方の小絵馬には 子育てのために奉納されたものが残っています おもなものを紹介してみましょう
 [乳しぼり] 乳がよく出るように また 乳の足りない母親は 乳もらいの 乳の有り
   余る母親は 乳預けの祈願です
 [にわとり] 子どもの夜泣き封じの祈願 また 夜盲症(鳥目)が 治るようにという
   祈願です
 [牛]・[違い鎌] どちらも子どもの瘡(くさ)が治るようにという祈願です はしか
   ・風疹・突発性湿疹・水疱瘡・疱瘡などを瘡と言って 牛に食べてもらう 鎌で
   刈り取ってしまうという意味にたとえました
 [地蔵尊像] 子どもの安泰を守ってくれる仏様なので 安産祈願 子どもの夜泣き
   ・寝小便・疳の虫治療等の祈願です
 [小児入浴] 子どもの入浴嫌いが治るための祈願です
 [御幣持ち猿]・[日の出に鷹] いずれも安産祈願です 
絵馬堂は 戦後すぐに造られたので 60年くらい経ちます 時々修繕してきましたが 最近20年間は利用も少ないので そのままにしてあります ですから 小絵馬は20年以上前のものです」
今日は散歩のついでに 色々勉強させてもらいました 帰りに絵馬堂を覗きましたが なるほど お話し頂いた絵馬が だいぶ色あせていました でも あらためて 昔も今も子を思う親の気持ちは 少しも変わらないなと つくづく感じました 合掌