幼児教育を語るひろば

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稽古は強かれ

古い書類を整理していたら 卒業式の式辞の草稿が出てきました 小学校長時代のものです その時の卒業生が 能について学習したことを聞いていたので 世阿弥(1363~1443)が書いた 「風姿花伝」を引用して話しました (一般に「花伝」と言われ 世阿弥の父 観阿弥の教えを伝えたもの) 観阿弥(1333~1384)は 観世座を創立して 今日の能の基礎を築いた人です
「花伝」の花は 能の美の真髄を指し 伝は その花を成就するための手段を意味するそうです 観阿弥はそれについて 「稽古は強かれ 情識はなかれ」 と戒めています 稽古は 練習すること・学ぶことと考えてよいと思います 情識というのは 強情で 頑固で うぬぼれが強くて 争ってばかりいることです
そこで観阿弥は 「世の中に認められるには 稽古によって 自分の芸を磨くように そのためには 自分の競争相手が 自分より上手なら勿論 下手でもそれに学ぶ心がけが大切だ 下手だって 長所は必ずあるのだから 自分が克服しなければならない 最初の敵は情識だ」 と諭しています
さらに 「人生の花は 大人になってから咲くのだから 12~13歳頃の稽古には 無理をせず 技巧を凝らさずに 自然の身のこなしを大事にしなさい」とも 教えています 幼児期の稽古事にも(勉強にも) 当てはまるのではないでしょうか