幼児教育を語るひろば

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杓底一残水 汲流千億人

曹洞宗大本山永平寺を(1224年道元禅師開創) 訪れたことがあります 正門の石柱に 表題の文字が刻まれています 「しゃくていのいちざんすい ながれをくむせんおくのひと」 と読みます
道元禅師は 毎朝仏様にお供えする水を 門前を流れる谷川から 柄杓で汲み取っておられました 永平寺付近は 日本三山の一つと言われる 加賀の白山からの水が 谷川となって豊富に流れています この水のお陰で 周辺の土壌も豊かです 人々は 白山の霊水として あがめています
ところで 禅師は いつも柄杓で汲み取った水を 半分だけ 谷川に戻されていました 何もそんなことをしなくても 谷川の水は豊富で 涸れる心配はありません しかし どんなに水が沢山あっても 一滴の水も粗末にしない という禅の教えです 
さらに 柄杓の水を少し残して川に返せば その水を 下流の多くの人々も 受け止めることが出来る という教えでもあります
道元禅師は 「今自分がここに生きていて 何か得たものがあるならば どんな小さなことでもよいから それを 人のために伝えていきなさい」 と言われます 同じ川の水を飲んで 共に生きるだけではなく 同じ喜びや悲しみを 分かち合えるようにとも 諭されています
この教えは 茶道にも生かされています 柄杓で 釜から湯を汲み取ったとき 半分だけ注いで 残りの半分を釜に戻します 「杓底一残水 汲流千億人」 の心です